イメージングプレートにX線を照射して、デジタル処理により画像化するシステムが普及
放射線検査は、骨や内臓、血管の構造を観察して診断に役立てるために行なわれます。胸部や腹部、骨などのX線写真を撮影する「一般撮影室」、連続的にX線を照射して胃・大腸のバリウム検査や尿路・婦人科の造影検査を行う「消化管撮影室(透視室)」、心臓や脳血管の撮影を行う「血管撮影室」(カテーテルを用いた血管内治療も行われることから「カテ室」と呼ばれます)ほか、放射線を使用した検査室にはいくつかのタイプがあります。
いずれも「放射線管理区域」に設定されており、ドアや壁の放射線遮断能力などについて、法令に従って厳重に管理されています。
一般撮影室には、健診のX線(レントゲン)撮影でお馴染みの撮影装置が置かれています。胃や大腸のバリウム検査では、患者さんの体の向きを変えて造影剤を流しながら撮影を行う必要があるので、消化管撮影室の検査代はベッドの角度を自由に調節できるように設計されています。医師や放射線技師は検査室の操作盤で検査を行うこともできますし、部屋の外からマイクとスピーカーを通じて透視装置を操作することもできます。
以前は、放射線検査室には必ず現像装置が設置されており、撮影したフィルムを現像して外来や病棟に送っていました。しかし近年はデジタルX線画像読取装置(CR:Computed Radiography) 、すなわち従来のフィルムの代わりに「イメージングプレート」にX線を照射し、デジタル処理によって画像化をするシステムが普及しています。この装置により、撮影から短時間で、病院のどの端末からも画像が閲覧することが出来るようになり、診断や治療の迅速化に大きく貢献しています。
妊娠中の女性は、検査で用いるX線が胎児の発育に影響を及ぼす可能性があるので、必ずその旨を医師や検査技師に伝えておく必要があります。また、いや大腸、血管などの構造を見るために使用される造影剤にはヨウ素が含まれており、稀にアレルギー反応を起こすことがあるほか、腎臓の疾患がある患者さんでは腎機能が更に悪化する可能性もあります。これらの造影検査のリスクについては、診察室で担当医師から説明を受け、同意書にサインを行っているはずですが、思い当たることがあれば、遠慮なく申し出るようにしましょう。