消化器領域で症例を積みたい先生へ

早期の胃がんや大腸がんを発見・治療します

近年はカプセル型も普及しています

待合スペースの奥には、検査前の処置や検査後の休憩に使う椅子あるいはベッドが置かれています。検査室にはそれぞれ1台ずつベッドと内視鏡検査装置が設置されています。内視鏡検査で使う薬剤や、内視鏡の管の内部に空けられた小さな通路に挿入して胃や大腸の組織を採取するための道具(生検鉗子)なども常備されています。

したがって、小さな手術室さながら、心電図モニターや電気メス装置が設置されている病院もあります。さらに検査室の裏には洗浄室があり、ここで使用後のスコープを洗濯機のような専用の装置に入れて洗浄・消毒します。

以前は、重要な写真はその場でプリントアウトし、そのほかの画像はフィルムに焼き付けて保管していました。しかし現在ではデジタルカメラの要領で、検査画像を何枚でもパソコンのなかに保存することができるようになりました。

特に、近年普及しつつあるカプセル型内視鏡では、カプセルが消化管を通過する間に何万枚もの画像が撮影されます。したがって、フィルムを保管するスペースが不要になる一方で、大量の検査画像を保存・解析するための大容量の記憶装置を備えたパソコンを用意することが必要です。

検査前の処置ですが、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受ける患者さんは、まず処置室で胃の中の粘液や泡を取り除くための薬を飲んだ後、ゼリー状の麻酔薬を口の奥に含ませて喉の麻酔を行います。下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)では、腸の中に残った便を洗い流すための薬剤を2リットルほどの水に溶かして飲みます。

量を聞くと驚くかもしれませんが、少しずつ飲むことで通常は飲みきることができます。しかし、激しい腹痛を起こしたり、嘔吐した場合には、途中で中断して看護師に相談しましょう。大腸カメラでは、検査に備えて穴あきの下着と検査着に着替えます。腸の動きを抑える筋肉注射や鎮静薬が追加されることもあります。

胃カメラでは、医師はスコープが噛まれないように患者さんにマウスピースを咥えさせ、そこからスコープをゆっくり口の中へ入れていきます。特に年齢が若い人の場合、咽頭の反射が強いため、スコープが喉を通過する際に強い吐き気を感じることがありますが、視線を遠くに置いて肩と舌の力を抜き、医師の指示にあわせて「うどん」を飲むように嚥下すれば、比較的スムーズにスコープを通過させることができます。

大腸カメラでは、肛門からスコープを入れていきますので、右下腹部にある「回盲部(小腸と大腸が繋がる部分)」が検査の終点です。しかし、大腸の内側は襞が多く、曲がりくねった蛇腹のような形をしているので、スコープを終点までスムーズに到達させるためには熟練の技術を要しますし、患者さんにも呼吸や体位変換に協力してもらわなければなりません。

スコープによって大腸が強く伸ばされる時に痛みがありますが、強い腹痛を感じた場合には我慢せずに医師に伝えましょう。日本では、このような痛みも胃や大腸に穴をあけないための重要なサインだと考えられているため、強力な鎮痛薬は使用しない傾向にあります。

病変が見つかった場合には、スコープから前述の生検鉗子(針金状の道具)を挿入して組織を摘み取り、顕微鏡検査に提出します。ポリープやがんの内視鏡的切除、潰瘍や静脈瘤に対する止血術が行われることもあります。このような特殊な処置が行われた場合には、念のために入院してもらうこともあります。検査後には、喉の麻酔に伴うご縁や処置ごとの出血を防ぐための食事の摂り方、運動の制限など日常生活上の注意が指示されますので、しっかりと確認しておきましょう。

 
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